カレンのカベルネ

仕事柄、いくつかのワイン情報誌、その他に、世界のワインニュースや試飲レポートを伝えてくれるウエッブサイトも見ているんですが、このサイトに西オーストラリアワインの試飲レポートがありましてね。
「カレン、ヴァスフェリックス、ナチュラリスト、マーガレット・リヴァーのトップ・カベルネ」という見出しに引かれまして、じっくり目を通した次第です。


試飲ワインは次の三アイテム
・カレン・ワインズ ダイアナ・マデリン 2019
・ヴァス・フェリックス トム・カリティ カベルネ・ソーヴィニヨン・マルベック 2014
・ドメーヌ・ナチュラリスト モルス カベルネ・ソーヴィニヨン 2017


マーガレット・リヴァー(Margaret River)は西オーストラリア州のワイン生産地です、国内でも有数のエレガントなワインを生産していることで知られています。パースから南に車で3時間の距離にあり、この州で最も有名なワイン産地といわれています。


さて、なぜ見出しに引かれたのかと申しますともう30年くらい前に記事に登場するカレン・ワインズやヴァスフェリックスを二回ほど訪れておりましてね、どんなものかと思ったのでありました。私がカレン・ワインズを訪れた時は設立者のダイアナ・カレンさんがまだお元気でいらして、ワイナリーを始めた当初の苦労話、なぜボルドースタイルのワインをつくったのかなど沢山の話を伺いました。ワインメーカーのヴァーニャさんもいらしてワインについての詳しい話は彼女がしてくださいました。

 

カレン・ワインズ ワインメーカー ヴァーニャ・カレン女史


カレンは、グラッドストーン博士(※)と交流のあった精神科医のケヴィン・カレンと妻のダイアナが1971年に設立しました。娘のヴァーニャが1983年にワインメーカーとなり、バイオダイナミックスを駆使し、2004年に認証を得ています。プレパレーション(調剤)も自家製。グルメ・トラベラー・ワイン誌、ハリデー・ワイン・コンパニオンなどでワインメーカー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。2021年に50周年を迎えました。


グラッドストーン博士とヴァス・フェリックス
ヴァス・フェリックスは、西オーストラリア大学のジョン・グラッドストーン博士によるマーガレット・リヴァーの可能性を伝えるレポートに触発されて、トーマス・カリティ博士が1965年に実験的な植え付けを始めました。最初のヴィンテージは1971年です。


西オーストラリアへは当時ワインスクールで仕事をしていた仲間、スクールのオーナーと訪れました。西オーストラリアの州政府の方が通訳兼案内としてついてくださり本当に充実した中身の濃い研修旅行でした。仲間の一人はオーストラリアワインが大好きでヴァス・フェリックスを訪れたとき「Dream cam true !」と口にして、ワインメーカーさんを大喜びさせました。

 

最後に…

ワイナリーで質問をした際、故ダイアナ・カレンさんに「なぜ、カベルネ・ソーヴィニヨン単体ではなくボルドースタイルにしたのですか」と尋ねました。すると、「主人がボルドーのワインが好きなので」と答えてくれました、なんとも素敵で印象的なお答えでした。

 

 

 

konishi1924では

カレン・ワインズのヴィンテージワインもご紹介しています。

購入も可能ですよ! 下記のページからどうぞ…

 


カレン・ワインズ 
マーガレット・リヴァー 
カベルネ・ソーヴィニヨン メルロー 1997

750ml 税込 17,000円


カレン・ワインズ 
マーガレット・リヴァー 
ダイアナ・マデリン 2005

750ml 税込 12,500円

 

 

 

 

 

幻ワイナリー ロスカーネロス シャルドネ 2007

日本人の私市友宏氏が

アメリカ・カリフォルニアの地でつくり出すワインです。

 

彼がフランスに行くことを決心したときのこと。

知人に「夢か、『まぼろし』みたいな話」と言われたそうです。

それがずっと心の片隅に残っていて、

まぼろしだったかもしれないワイン」という事で、

まぼろしワイン」と名付けたのだそうです。

 

夢を現実にする力、素晴らしいですね。

私市氏のように夢を実現した人に、

夢を大きく描いている人にもおすすめしたいワインです。

 

 

幻ワイナリー ロスカーネロス シャルドネ 2007

テイスティングしてみましたよ。

 

 

ワインの外観は美しい黄金色をしております。

色調は濃い目で粘土は中程度、思ったほど粘土は高くありませんでした。

香りは広がりがありやや強めです。

ブリオッシュやマロングラッセ

木に咲く白い花、栗やねずみもちを思わせる香り

ドライのパイナップルや杏のニュアンスも感じられます。

口に含むとバタートーストのような味わい、

ミネラル、旨味、熟成した果実の風味が幾重にも重なり心地よく広がります。

感じられる果実の風味は熟成したもので複雑です。

果実と旨味、中程度の酸味が奇麗にまとまって満足感の高さが感じられます。

今後10年以上はよい方向に熟成することでしょう。

 

 

 

 

 

※ワインのコメントは十人十色、

あくまでも参考程度に読んでいただければ幸いです。

 

ご紹介しているワインの詳細は

ホームページ「konishi1924」をご覧くださいませ、購入もできますよ。

幻ワイナリー ロスカーネロス シャルドネ 2007

 

 

 

春野菜の天婦羅とシャンパーニュ

春ですね~。

この写真はインスタグラム用に撮影したものです。

アラン・ベルナールのシャンパーニュとオレンジ色のラナンキュラスです。

 

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運営している「konishi1924 Instagram」では

おすすめのワインとお花の写真をよくアップしております。

なんでこちらにも写真を載せたかというと

このシャンパーニュのラベルと味わいがとても好きなんです。

それでこちらでも紹介しようかと思いましてね。

 

そして、この時期、蕗の薹やタラの芽、こごみなど

山菜が八百屋さんの店頭に並ぶのですが、

これが旨い! 大好きなんです。

ミネラル分たっぷりのお塩とレモンでいただくのですが、

ワインのもつ奇麗な酸味がレモンの風味とマッチ、

上品な果実味が山菜の風味を引き立ててくれるのです。

美味しいのですよ、たまりません。

 

「日本人でよかった、春が来た~」と思わせてくれます。

 

ちなみに、アラン・ベルナールはシャンパーニュの生産者の名前です。

PREMIER CRU = プルミエ・クリュ ???

なんですか~、と質問がきそうですよね、当たり前です。

 

フランスのワインはテーブルワインクラスを除いて

そのほとんどが生産地が「ワインの名前」になっています。 

 

さて、シャンパーニュ地方には319の市町村が存在し、

それらが「クリュ」と呼ばれています。

グラン・クリュの数は17、プルミエ・クリュは44あります。

 

ここからは少し話が専門的になるので面倒くさい方は読み飛ばして下さいな。

そして、エシェル・ド・クリュという独自の分類によって分けられています。

これは原料として用いられるブドウ畑の評価を80から100%で表すものです。

100%の評価を受けたクリュの村で収穫されるブドウのワインをグラン・クリュ

90から99%の評価を受けたクリュの村で収穫されるブドウから造られるワインプルミエ・クリュとしています。

 

このパーセントで表す指標はブドウの買い取り価格を基準として反映されたものであり、その買い付けの価格自体は1999年には廃止されたのですが

現在も指標としては残っています。

 

もちろんプルミエ・クリュの畑で出来るブドウは優れているのですが、

ただ、この格付けはブルゴーニュの格付けほどグラン・クリュとプルミエ・クリュ、

そしてそれ以外のブドウとの間に大きな違いを見せるものではありません。

↑ 面倒くさい方はここまで、読み飛ばして下さいね。

 

 

PREMIER CRU = プルミエ・クリュの下に

Blanc de Blancs = ブラン・ド・ブランと表示されています。

これは、白ブドウのみを用いて作られたシャンパーニュの事を指します。

シャルドネが主要品種となりブラン・ド・ブランのほとんどがシャルドネ100%です。

 

その下にはBrut = ブリュトは辛口の意味です。

シャンパーニュに限らずスパークリングワインにも普通に使われてい。ます。

見たことありますでしょうかね。

やや甘口タイプは「Dimi Sec = デゥミ・セック」と表示されていますよ。

 

少し前の映画、「プリティー・ウーマン」。
青年実業家のエドワード(リチャード・ギア)が、娼婦のヴィヴィアン(ジュリア・ロバーツ)を

ホテルの最上階にある豪華なペントハウスに連れて行き、

イチゴと一緒にシャンパーニュを楽しむシーンがあります。

このシャンパーニュがヴ―ヴ・クリコのホワイトラベルだったと言われていますがご存じでした?
ホワイトラベルはやや甘口、デゥミ・セック。

 

この映画でシャンパーニュと苺、

シャンパーニュとフルーツの相性の良さに目覚めた方も多いのではないでしょうか。
かくいう私もその一人であります。

 

 

 

 

ご紹介しているワインの詳細は
ホームページ「konishi1924」をご覧くださいませ、購入もできますよ。

アラン・ベルナール シャンパーニュ 

プルミエ・クリュ ブラン・ド・ブラン ブリュット NV

 

 

ドメーヌ・シャソルネ サン・ロマン スー・ロシェ 2007

三寒四温とはよく言ったものです。

昨日の東京は「三寒」のようで本当に寒い雨の日となりました。

桜の蕾が寒さに震えているようでしたよ。

気温があがり、暖かい「四温」の日にはぱっと開くのでしょうね。

なんだか待ち遠しいです。

 

さて、今回も問い合わせがありどれどれといった感じで

ワインをテイスティングしてみました。

フランス、ブルゴーニュの赤ワインです。

 

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ドメーヌ・シャソルネ

サン・ロマン スー・ロシェ 2007

 

コルクにソムリエナイフを刺し丁寧に引き上げると

すーっとコルクが上がってきました。

コルクの状態はとてもいいようです。

 

コルクを抜き、ワインと接触していた方の面に鼻を近づけると

甘酸っぱいとても良い香りがして期待が高まりました。

 

ワインをグラスに注ぎ色を見てみます。

オレンジがかった黒っぽいガーネット色をしています。

ワインの粘性は中程度といったところでしょうか。

 

香りは華やかで強め、黒蜜やバルサミコセミドライの黒イチジクやプラム、

プ―アール茶、腐葉土紹興酒、土が焼けてような香りも致します。

複雑で広がりのある香りです。

 

味わいは奇麗で落ち着いた果実味、心地よくバランスの取れた酸味、

続いて旨味と甘みが表れ喉へ落ちていく感じです。

後口に柔らかくこなれたタンニンが残ります。

 

余韻には少し枯れた果実の味わいと

熟成を感じさせるブランデーのような風味や味わいがあり長く続きます。

 

状態としてはまさに飲み頃です。

華やかな香りと存在感のある果実味が存分に楽しめます。

抜栓してから45分くらいするとさらに開いて

存在感のある果実味がさらに際立つようです。

味わいの変化がなんとも楽しい。

 

熟成したエポワスなどのウオッシュタイプのチーズは

このワインの旨味や甘みをさらに引き立ててくれるでしょうし。

鴨肉のソテー、バルサミコソースや黒酢豚など

少し酸味のあるお肉料理はこのワインの果実味をより引き立ててくれます。

 

ブルゴーニュワインの好きな方をきっと満足させてくれる美味しさのワインです。

 

 

 

※ワインのコメントは十人十色、あくまでも参考程度に読んでいただければ幸いです。

 

 

 

ご紹介しているワインの詳細は
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ドメーヌ・ド・シャソルネ サン・ロマン スー・ロシェ 2007

フレスコバルディ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ カステルジョコンド 2013

三月になり暖かい日が多くなってきました。
今日は二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」です。

「啓」の字には「開く」、
「蟄」の字には「虫などが土などに隠れている様子」という意味があり、
土に隠れていた虫が外に出てくるほどに暖かくなってきたことを指しています。

春の陽気に誘われたわけでもありませんが、
今回はイタリアワインをテイスティングしてみました。
グラスにワインを注いでコメントを書いていたのですが、
その美味しさにテイスティングが終わった途端、
我慢できずに飲んでしまいました。

 

フレスコバルディ
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ 
カステルジョコンド 2013

 

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コルクを抜くとふわりとブランデーを思わせる香りが広がりました。
コルクの状態は極めて健全です。

 

黒みがかった美しいガーネット色をしています。
グラスの淵に少しオレンジが見えるでしょうか。
グラスを傾けてから立てると粘度があることもわかります。

 

香りは華やかで複雑です。
コルクを抜いた時に感じられたブランデーの、
アルコールの高さを予感させる香りが最初にやってきます。
続いて、杉や東洋系のスパイス、アニスや乾燥バジルを思わせる香りも、
プ―アール茶やカカオ、鉄、干したレーズン、黒オリーブなどなど、
コメントに困りません。

 

味わいはエレガント。
作りの良さと上手さが感じられ、素直に「おいしい!」という感想が出てきます。
品のある果実味と強すぎない酸味が高い位置でまとまっています。
渋みは後から出て来て、全体の味わいをグッと引き締めてくれるようです。
果実味と酸味はすでにまとまっているようですが、
主張のある渋みがこれからさらに熟成してよくなる方向に進むことを
示唆してくれているようです。

 

冒頭にテイスティングが終わると我慢しきれずに飲んでしまったと書きましたが、
テイスティンググラスに少し、二杯ほどでしょうか、飲んで我慢しました。
まだまだ、開いてより楽しめるだろうと感じたからです。

 

我慢すること二時間、奇麗の開いてくれました。
主張していた渋みが酸味や果実味と一体になり、するりと喉の奥を流れていきます。
なにより、口当たりが素晴らしい、薔薇の花びらやビロードのようです。

 

今、飲み頃が始まったところでしょうか。
これから7~10年は良い方向に熟成すると思われます。
ワインのお好きな仲間やパートナーがいらっしゃる方は2~3本購入いただいて、
熟成の経過をああでもない、こうでもない、と楽しんでみるのも良いと思います。

 

 

 

※ワインのコメントは十人十色、あくまでも参考程度に読んでいただければ幸いです。

 

 

 

ご紹介しているワインの詳細は
ホームページ「konishi1924」をご覧くださいませ、購入もできますよ。

https://konishi1924.com/?pid=166750995

 

クリュ・バレジャ ソーテルヌ 2001

クリュ・バレジャ ソーテルヌ 2001

 

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色はトパーズを思わせる飴色、

茶色がかった濃いめの黄金色をしています。

粘性は高く足も厚いよう。

 

広がりのある香り、

べっこう飴、蜂蜜、もものコンポートのような煮詰めたフルーツ、

干したアンズ、オレンジピールミモザの花を思わせる香りも、

とても複雑で奥行きが感じられます。

貴腐ワイン特有のセメントのようなニュアンスも感じられますが、

いやなものではありません。

 

濃密な甘さとギッシリ詰まった果実の美味しさが

ストレートに感じられます。

思っていたよりこってりとした印象はなく

エレガントさと熟成による複雑さ、落ち着きを感じます。

 

香りな感じられた、煮詰めたフルーツ、干したアンズのニュアンスが

口一杯に広がり、スイートな世界に引きずり込まれるようです。

高貴な甘口ワインに感じられる、紅茶やプ―アール茶のような風味が

堪能できます。余韻は大変長く美味しさがいつまでも続きます。

 

後口に心地よくやさしい苦みが感じられ、

この味わいが全体を引き締めてくれているようです。

 

※ワインのコメントは十人十色、あくまでも参考程度に読んでいただければ幸いです。

 

 

 

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クリュ・バレジャ ソーテルヌ 2001 - konishi1924

 

 

 

 

 

 

 

ケヴィン・デコンブ モルゴン ヴィエイユ・ヴィーニュ 2017

寒い日が続いています。

来週はひな祭り、春はすぐそこまで来ていますよ。

今日ご紹介するワインは、春を待ちわびる

今の季節のような味わいです。

 

ケヴィン・デコンブ 

モルゴン ヴィエイユ・ヴィーニュ 2017

 

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色調は中程度、透明ではありません。

フィルターをかけていない作りにようものだと思います。

柔らかい紫色で淵にはまだ青みがみられます。

 

香りの立ち方はかなり控えめ、

東洋系のスパイス、白コショウ、

酸味を想像させる果実、グリオット、

コケモモなどの果実の香りも感じられます。

 

グリオットはサワーチェリーの一種、

サワーチェリーは生のままですと甘さが少なく

ジャムやシロップ漬にしたりしてお菓子作りにもちいられます。

 

葡萄品種がガメイであることを考えると

香りの控えめさが気になるところ

現在は「閉じている」時期に入ってしまったのかとも思わされます。

 

口に含んでみると、

まず、奇麗でしっかりとした酸味が感じられます、中程度から少し強めの印象。

続いて、エレガントで幽玄、凝縮された果実味を感じます。

全体的には若い印象で華やかさというより秘めたポテンシャルの高さを感じます。

このポテンシャルは長期の間の熟成に十分に耐えるれるものです。

 

ガメイの良さを存分に楽しむのならあと5年は寝かせたいところです。

本当に奇麗な酸味が感じられます、この土地の個性なのか、天候によるものなのか、

作り手による力量なのか、興味がつきない魅力的なワインです。

 

今楽しむのなら、ヴィエイユ・ヴィーニュではないモルゴンをお勧めします。

それでも、抜栓はお早目に!

 

 

※ワインのコメントは十人十色、あくまでも参考程度に読んでいただければ幸いです。

 

 

 

ご紹介しているワインの詳細は
ホームページ「konishi1924」をご覧くださいませ、↓ 購入もできますよ。

ケヴィン・デコンブ モルゴン ヴィエイユ・ヴィーニュ 2017 

https://konishi1924.com/?pid=166755238

ケヴィン・デコンブ モルゴン  2017 

https://konishi1924.com/?pid=166755112