バス・フィリップ ガメイ 2019

先日、お客様からお問い合わせをいただきましてね…
きちんとワインの味わいを説明したいと思い、テイスティングしてみました。


 
あと一ヶ月ほどでボジョレー・ヌーボーが解禁になりますね。
ワインはすでに日本の到着しているようです、価格は昨年に比べ二割ほど安いとか、市場が盛り上がりそうですね。

ボジョレーは土地の名前なのをご存じですか、栽培されているのは主に「ガメイ」という葡萄の品種です。
今回テイスティングしたのはその「ガメイ」でつくられたワイン、生産地はオーストラリアです。
メルボルンから南東150kmの海沿いにあるワイン産地、最近、ピノ・ノワールで要注目のギップスランドのもの。

 

 

バス・フィリップ ガメイ 2019

 

コルクを抜くと赤いベリーを感じさせる甘い香りがして期待が高まります。
グラスに注ぎ少し傾けて色を観察、淵にはピンク色がみえます。
全体的には少し黒みがかった小豆色ベースの淡い赤色でしょうか。

 
香りは華やかで広がりがあり、強さも感じられます。
赤いベリーの甘酸っぱい香りが主体で、生花の薔薇のニュアンスもわずかに感じられました。

 
口に含んでみると、たっぷりの果実味、綺麗な酸味、少しの渋みが感じられました。
若いワインですのでそれらの味わいはまだバラバラですがバランスは絶妙です。
綺麗で上品、素直に美味しいと感じられる飲みやすさがあります。
少し時間がたつと薔薇でもジャムやコンフィにしたような風味、チェリーのニュアンスも出てきました。
スケール感のあるエレガントな余韻の長いワインです。

 
驚いたのはポテンシャルの高さと上品さ、ブルゴーニュの上級ワインに引けを取らないレベルです。
ブラインドテイスティングで提供されたらガメイとはまず答えられないでしょう。

 

 

ボジョレーにはクリュ・デュ・ボジョレーという上級品があります。10の村が格付けされており、この、村名を名乗ることができる区画からは、非常に品質の高いワインが生み出されています。しかし、ボジョレーには、ブルゴーニュのスター地域にあるような一級や特級に格付けされる畑はありません。


特級があったなら… こういうワインなのではなかろうか、と想像しました。
このバス・フィリップのガメイのポテンシャルには本当に驚きます、評価するならば特級クラスなのではないでしょうか。
 

オーストラリアでもっとも古くから作られているガメイですが、南ギップスランドは通常ガメイを育てるには気温が低すぎます。しかし、気温の暖かいヴィンテージには素晴らしい葡萄を生み出し、出来上がるワインは最高のガメイとの呼び声もあり、高く評価されています。


2020年を最後に前当主フィリップ=ジョーンズ氏は引退しているため、彼の造ったガメイ2019は超希少アイテム。
限定醸造の中でも特に生産数量が少なく、ここ数年入荷ができなかった入手困難なワインとも云われています。

 
フィリップ氏が引退した後、ジャン・マリー・フーリエがチーフワインメーカーに就任しました。
フーリエは、フランスブルゴーニュ地方、ジュヴレ・シャンベルタン村で5本の指に入る名門の作り手さん、人気も高くワインもかなり高騰しましたね。
そのフーリエが現在は畑の管理からワイン醸造のプロセスに至るまでの指揮をとっています。


貴重なガメイの畑や木々はどうなるのかな…、気になるところです。

 


 

 

 

 

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バス・フィリップ ガメイ 2019