カミーユ・ジルー  ヴォルネイ  プルミエ・クリュ タイユピエ 2006

秋もぐんと深まってまいりました。

 

外を歩いていると良い香りが…。
9月の終わり頃に楽しんだはずの「金木犀」が再び咲いているよです。またまた、よい香りを放っていてなんだか得をした気分になりました。長袖のシャツですと少し寒いくらいです、セーターやカーディガンが必要な気温の日も多くなりました。
冬はもうそこまで来ていますね。

 

数日前、ブルゴーニュワインワイン好きのお客様からの問い合わせが来ましてね。
しばらくテイスティングしていないつくり手のものでしたので、それでは、と開けてみました。

 

 

カミーユ・ジルー 
ヴォルネイ 
プルミエ・クリュ タイユピエ 2006

 

フランスのブルゴーニュ、ヴォルネイ村、タイユピエという畑の葡萄でつくられたワインです。「タイユピエ」の名前の由来は、畑に尖った石が多く、昔働いていた農民の靴がすぐに擦り切れてしまったことから「taille(タイユ)=切断」 「pied(ピエ)=足」と呼ばれるようになりました。

 

外観、色はグラスの淵にわずかにオレンジが見える美しい濃いめのガーネット色をしています。透明感があり、粘性はそれほど高くありません。

 

グラスにワインを注ぐと華やかな甘い香りが広がります、熟した、いや、ジャムを思わせる煮詰めた黒スグリ、プラムを思わせます。グラスを回すと土っぽさや鉄の要素も出てくるようです。

 

口に含んでみると、柔らかさの中に艶やかで奥行きのある果実味が楽しめます。16年の時が流れているとは思えない若々しさが感じられ、おそらく後7~10年はよい方向に変化しているであろうと感じました。品の良いほのかな甘さと果実味が同時に感じられ、上品さの中に力強さも備えており複雑です。

 

ある程度テイスティングをした所でよりワインの良さが楽しめるかと想像し、デカンタージュしてみました。グラスも大振りのものに移行、抜栓して20分、香り味わい共にすばらしき開いてきました。妖艶さが出てきたのです。

 

この妖艶さなんですが、味わっていてふと思い出した人がいます。
話がかなりそれます。

 

ベルサイユのバラの10巻に出てくる、モンテクレール城に住む美貌の伯爵夫人、エリザベート・ド・モンテクレールを思い出しました。時計技師に殺人人形「リオネル」を作らせ、その人形で大勢の少女を殺害。その血で沐浴することで、自らの若さと美を保てると信じていたという話しなのです。エリザベート・バートリがモデルなのだとか。漫画の中でそれはそれは妖艶に描かれていました。

 

話はもどります。
妖艶さですが、香りの要素には黒っぽい薔薇の花や、煙やレンガ、少し血を思わせるニュアンスを感じるようになりました。デカンタージュしたことで、香りの華やかさと複雑さが増し、テイスティングルームは甘い香りで満たされました。味わいの艶やかさもまして美味しさに魅力されます。

 

「こういうワインを飲むとブルゴーニュワインの虜になっちゃうんだよなぁ」と「すごく美味しい」とつぶやいてしまいました。

 

上品で高貴な妖艶さの中に、ふくよかさ、厚み、旨味、重厚感の詰まった飲みごたえのあるブルゴーニュワインです。
ジャスパー・モリスは本の中で、ヴォルネイの中ではタイユピエとクロ・デ・シェーヌを最高評価の畑と書いていましすが、なるほど確かに、と頷ける美味しさに感じられました。

 

 

※ワインのコメントは十人十色、あくまでも参考程度に読んでいただければ幸いです。

 

テイスティングしたワインの詳細はホームページ「konishi1924」をご覧くださいませ、購入もできますよ。

 カミーユ・ジルー ヴォルネイ プルミエ・クリュ タイユピエ 2006