はじめてです…

10日ほど前のこと…
いつものように、仕事メールのチェックをしていました。
ワインのインポーターさんからのメールもいくつか、
ボジョレー・ヌーヴォーに関する内容のものもあり
そろそろ受注の締め切りかな、(小売店向けの受注締め切り)
なんて思いながら開いてみてびっくり。

  
「2022年は、ボージョレ・ヌーヴォー航空便の取り扱いを中止いたします」
という内容で驚きました。
20代のころからボージョレ・ヌーヴォーを毎年販売して30年以上
これは初めての内容です。

このメールが届いたのはまだ一社ですが後続もあるのかな???
航空便で輸入されるボージョレ・ヌーヴォーは他に色々あります。
誤解されませんよう、よろしくを願いします。
ですが、例年と比べかなりの価格の高騰は否めませんね。

 

さて、取り扱いが中止になった流れとして、
過去にお願いしていた航空会社のヌーヴォー取り扱いが中止になり、
他の航空会社等にもあたってみたが、
いずれも航空運賃・燃油サーチャージの見積もりが予測をはるかに超えるもの

になってしまい、お客様への販売価格が異常な金額になってしまうこと。
すでに、仕込みを迎えたヌーヴォー2022については"船便"で輸入するそうです。

 

ボジョレー・ヌーヴォーのお知らせが我々の届くのは7月ごろ。
今年は円高と燃料の高騰でどんなことになるのだろうと思っておりました。
3500円くらいのものが5000円を少し切るくらいまで上がるのかしら…
と想像していたのですが、
航空便の輸入を取りやめるインポーター―さんが出てきました。
お客様にあまりにも高い価格のワインを売る事は忍びないという正しい判断なのでしょう。
とても良心的な会社だと思いました。

 

もちろん、上手に段取りして輸入され会社もありますから楽しみにしている方は
今年も楽しむことは出来ることと思います。

私は、美味しいこだわりのボジョレー・ヌーヴォー毎年販売してきました。
でも、個人的にはあまりボジョレー・ヌーヴォーは好きではありませんでした。
販売していて「うー--ん」と首を傾げたこともあります。
なぜ、30年以上販売してきたのでしょうか、
意識の持ち方を変えてくれたのは母でした。

 
ボジョレー・ヌーヴォーは11月の第三木曜日の解禁日にならないと販売できません。
(しているお店もありますがね)
法令ではないのですが、商品の価値を守るために業界の取り決めがあるようです。
(↑ おそらく、商品の付加価値を下げないためのもの)
今は商品が販売日の数日前に届きますし、
ネット販売などでは11月の第三木曜日に届くように数日前の出荷も可能です。
ですが、以前はもう販売日のギリギリに届くので大変でした。
バブルの頃には届いたワインを空港で飲むなんていうこともあり、
また、ワインが届かずに解禁日に間に合わなかったというアクシデントもありました。

 

そんなこんなでギリギリに届いたワインを
夜お店が閉まってから翌日に向け店頭で準備するわけですが、
準備は夜中までかかります。
当時は樽に詰められたボジョレーヌーヴォーの量り売りもしていました。
ある年、準備をしていた私の所に手伝いに来てくれた母が
(↑ お店の開店と同時に予約していてくれたお客様が取りにみえるので夜の準備は必須)
「今年はどんな出来なのかな?」とニコニコしながら話かけてきました。

 

その年は天候などの情報からするとそれほど期待できる年ではありませんでした。
すでに解禁日の0時を過ぎていたので、母にもう飲めるから試してみる?
と言うと、母は嬉しそうにグラスを持参してきました。

 

2人で「今年も早くに、沢山売れるといいね!」と乾杯しました。

 

やはり、少し酸味が強く当たり年といわれる水準には届いていませんでした。
しかし、母は「フレッシュで美味しいね」とニコニコ、楽しんでいました。
お客様も同じ、
フレッシュさと今年の初物という価値を楽しんでいるのだなぁ
と思い、自分の余裕の無さを反省したものです。
価格が少し高かろうが味わいが少し劣っていようが関係ないのです。
みー--んな楽しんで飲んでおられるのでありました。

都合で実店舗を閉店し、今はヌーヴォーは扱っておりません。
ところが自分で販売していないと飲みたくなってしまうのです。
好きではないと思っていましたが、欲している自分がおりました。
そこで購入して飲むのですが、今年はどうなるのでしょうか。

 

毎年、新酒はボジョレーの他に日本のものもいくつか楽しむのですが、
今年は日本の新酒のみにしようかな、なんて思っています。