ワールド・ブラインド・テイスティング選手権

いつものようにワインの情報をチェックしていると面白い記事が…。

 

国別対抗で行われるブラインド・テイスティング選手権大会が、10月8日、フランスのシャンパーニュ地方マルヌ県アイ村のメゾン・アヤラで開かれました。

10回目となる「ワールド・ブラインド・テイスティング・チャンピオンシップ」(世界ブラインド・テイスティング選手権)は、ルクセンブルグ・チームが優勝したとのこと。

 

 

フランスを代表するワインメディア「ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス」(La Revue du vin de France)が毎年秋に、国内の有名メゾンやシャトーで開いてきました。各国から4人の選手とコーチがチームで参加し、白と赤各6種の計12種類のワインを試飲。品種、国、アペラシオン、収穫年、生産者などを特定し、総合点を競う。


今年の大会には31チームが参加した。コーチのDaniel Poos(ダニエル・プース)の下にZaiah Amann、Herve Amann、Guy Bosseler、Jules Hoffeltのチームが139点で初優勝した。La RVFによると、チームは「優勝できたのは、忍耐のおかげです」と語った。


2位はポルトガル(123点)、3位はスペイン(122点)、4位は117点で英国、ハンガリー、ベルギーが並んだ。ハンガリーは2021年大会の優勝国。


日本は71点で25位。パリで活躍するソムリエの石塚秀哉さん、染谷文平さん、分田達也さんに加えて、日本から2021年J.S.A.ブラインドテイスティングコンテスト優勝の松岡玲音さんの4人で闘った。


以上、wine reportより抜粋

 

 

内容はかなり難しかったようですよ。記事の続きには石塚氏や染谷氏のコメントが出ており、さらに、どのようなワインが提供されたのかも載っていますが、とてもとてもハイレベルです。

 

なぜ、この記事の興味をもったかと云いますと、私の友人にもブラインド・テイスティングの選手権にずっと出続けている人がおり、頑張っているのです。日本にも色々な選手権がありますが、最終的な目標はこの辺りかしらと想像しましてね。

友人はSNSにはブラインド大会に出場した時のコメント表などを掲載してくれるのですが本当に難しいのです。私も20年くらい前までブラインド・テイスティングにかなりのめり込み切磋琢磨してきました。

今は当時より、市場におけるワインの種類や国、つくり方も多様性に富んでいるので難しさは相当なものと推測します。いつかこのような記事に友人の名前が載る事を楽しみに読ませてもらいました。

 

 

 
以前に紹介させていただきました、12月16日から公開される「チーム・ジンバブエのソムリエたち」はこの選手権が舞台になっています。

 

「チーム・ジンバブエのソムリエたち」

経済危機で南アフリカに出稼ぎした難民たちが初めて飲んだワインに魅了され、ジンバブエ代表として「世界ブラインドワイン・テイスティング選手権」に出場する物語、2017年の実話に基づいたもの。フランスで開かれるこの選手権は”ワインテイスティングのオリンピック”と呼ばれる。4人のテイスターと監督が国を代表して出場し、世界中から出題される銘醸ワイン12本の品種、生産国、生産者、ヴィンテージなどを特定する。2017年の大会では、スイスのシャスラーやレバノンカベルネ・ソーヴィニヨンが出た。フランスのチームも11位に終わったほどで、難易度は高い。

 

最初は当てずっぽうだった若者たちが、訓練を積んで精度を高めていく。大会のレセプションでは、チームをサポートしたジャンシス・ロビンソンと同じテーブルに座る。半年間で世界のワイン舞台で国を背負って闘うまでに成長するのだ。ワイン版『クール・ランニング』のタッチもある。

 

4人は翌年の大会にも出場し、2度目の挑戦で日本、スペイン、イタリアを抑えて14位の成績を収めた。ワインを飲まない人の心も揺さぶる人間讃歌となっている。ブラインド・テイスティングがちょっとしたブームの日本の愛好家には興味深いだろう。

 

12月16日からヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国ロードショー。

 

 

 

 

 

カミーユ・ジルー  ヴォルネイ  プルミエ・クリュ タイユピエ 2006

秋もぐんと深まってまいりました。

 

外を歩いていると良い香りが…。
9月の終わり頃に楽しんだはずの「金木犀」が再び咲いているよです。またまた、よい香りを放っていてなんだか得をした気分になりました。長袖のシャツですと少し寒いくらいです、セーターやカーディガンが必要な気温の日も多くなりました。
冬はもうそこまで来ていますね。

 

数日前、ブルゴーニュワインワイン好きのお客様からの問い合わせが来ましてね。
しばらくテイスティングしていないつくり手のものでしたので、それでは、と開けてみました。

 

 

カミーユ・ジルー 
ヴォルネイ 
プルミエ・クリュ タイユピエ 2006

 

フランスのブルゴーニュ、ヴォルネイ村、タイユピエという畑の葡萄でつくられたワインです。「タイユピエ」の名前の由来は、畑に尖った石が多く、昔働いていた農民の靴がすぐに擦り切れてしまったことから「taille(タイユ)=切断」 「pied(ピエ)=足」と呼ばれるようになりました。

 

外観、色はグラスの淵にわずかにオレンジが見える美しい濃いめのガーネット色をしています。透明感があり、粘性はそれほど高くありません。

 

グラスにワインを注ぐと華やかな甘い香りが広がります、熟した、いや、ジャムを思わせる煮詰めた黒スグリ、プラムを思わせます。グラスを回すと土っぽさや鉄の要素も出てくるようです。

 

口に含んでみると、柔らかさの中に艶やかで奥行きのある果実味が楽しめます。16年の時が流れているとは思えない若々しさが感じられ、おそらく後7~10年はよい方向に変化しているであろうと感じました。品の良いほのかな甘さと果実味が同時に感じられ、上品さの中に力強さも備えており複雑です。

 

ある程度テイスティングをした所でよりワインの良さが楽しめるかと想像し、デカンタージュしてみました。グラスも大振りのものに移行、抜栓して20分、香り味わい共にすばらしき開いてきました。妖艶さが出てきたのです。

 

この妖艶さなんですが、味わっていてふと思い出した人がいます。
話がかなりそれます。

 

ベルサイユのバラの10巻に出てくる、モンテクレール城に住む美貌の伯爵夫人、エリザベート・ド・モンテクレールを思い出しました。時計技師に殺人人形「リオネル」を作らせ、その人形で大勢の少女を殺害。その血で沐浴することで、自らの若さと美を保てると信じていたという話しなのです。エリザベート・バートリがモデルなのだとか。漫画の中でそれはそれは妖艶に描かれていました。

 

話はもどります。
妖艶さですが、香りの要素には黒っぽい薔薇の花や、煙やレンガ、少し血を思わせるニュアンスを感じるようになりました。デカンタージュしたことで、香りの華やかさと複雑さが増し、テイスティングルームは甘い香りで満たされました。味わいの艶やかさもまして美味しさに魅力されます。

 

「こういうワインを飲むとブルゴーニュワインの虜になっちゃうんだよなぁ」と「すごく美味しい」とつぶやいてしまいました。

 

上品で高貴な妖艶さの中に、ふくよかさ、厚み、旨味、重厚感の詰まった飲みごたえのあるブルゴーニュワインです。
ジャスパー・モリスは本の中で、ヴォルネイの中ではタイユピエとクロ・デ・シェーヌを最高評価の畑と書いていましすが、なるほど確かに、と頷ける美味しさに感じられました。

 

 

※ワインのコメントは十人十色、あくまでも参考程度に読んでいただければ幸いです。

 

テイスティングしたワインの詳細はホームページ「konishi1924」をご覧くださいませ、購入もできますよ。

 カミーユ・ジルー ヴォルネイ プルミエ・クリュ タイユピエ 2006

 

 

 

 

 

日本を世界の銘醸地に

朝早くに歩いていると涼しい風とともによい香りがしてきました。
甘く華やかな香り…、金木犀が咲き始めましたね。

秋も少しづつ深まってきて、

なんとも気持ちよく過ごしやすい気温になりました。
食欲の秋、芸術の秋、読書の秋、

人によって秋の楽しみ方は様々です。

 

嬉しいことに、この秋には面白そうなワイン映画も見られるようです。
日本、フランス、レバノンなど各国を舞台にした映画4作公開されます。
産地やテーマが多彩になり、

ワインに興味をもつ様々な人が楽しめる作品のようです。


『シグナチャー 日本を世界の銘醸地に』

シャトー・メルシャンのチーフワインメーカー安蔵光弘氏と
浅井昭吾氏(麻井宇介)の師弟関係に光を当てて、
日本ワインが世界に認められ始めた1990年代を描く作品。
浅井氏に感化された若者たちを描いた『ウスケボーイズ』の柿崎ゆうじ監督が、
2人の絆に絞った脚本を書いています。

内容は…。
 

入社まもない安蔵は、文章力や分析力、素直な性格を麻井に認められる。
栽培は農家の専権事項だった時代に、
桔梗ヶ原メルローを自ら手摘みして無添加で仕込む。
きっかけは浅井がニュージーランドから持ち帰ったプロヴィダンスだった。


病に倒れた麻井は、留学先のボルドーから帰国した安蔵に、
「これからの日本のワイン造りを背負ってくれ」と将来を託す。
若かった安蔵は背中を2度叩かれて、たすきを受け取り、
国際コンペティションで入賞するワインを仕込み、師匠の期待に応える。

柿崎監督は安蔵夫妻からじっくりと取材し、
結婚式のビデオまで借りて、高い志で結ばれた師弟の信頼関係をリアルに描いた。
淡々とした絵作りから畑に吹く風や醸造所の香りが感じられる。
ソムリエの田邉公一さんら随所に出演するワイン業界人を探すのも楽しいだろう。


11月4日から新宿武蔵野館ほかで公開。
公式サイトはこちら




映画を見に行ったら飲みたくなること間違いなし ウインクウインクウインク
シャトー・メルシャン 桔梗が原メルロー 2007

 

はじめてです…

10日ほど前のこと…
いつものように、仕事メールのチェックをしていました。
ワインのインポーターさんからのメールもいくつか、
ボジョレー・ヌーヴォーに関する内容のものもあり
そろそろ受注の締め切りかな、(小売店向けの受注締め切り)
なんて思いながら開いてみてびっくり。

  
「2022年は、ボージョレ・ヌーヴォー航空便の取り扱いを中止いたします」
という内容で驚きました。
20代のころからボージョレ・ヌーヴォーを毎年販売して30年以上
これは初めての内容です。

このメールが届いたのはまだ一社ですが後続もあるのかな???
航空便で輸入されるボージョレ・ヌーヴォーは他に色々あります。
誤解されませんよう、よろしくを願いします。
ですが、例年と比べかなりの価格の高騰は否めませんね。

 

さて、取り扱いが中止になった流れとして、
過去にお願いしていた航空会社のヌーヴォー取り扱いが中止になり、
他の航空会社等にもあたってみたが、
いずれも航空運賃・燃油サーチャージの見積もりが予測をはるかに超えるもの

になってしまい、お客様への販売価格が異常な金額になってしまうこと。
すでに、仕込みを迎えたヌーヴォー2022については"船便"で輸入するそうです。

 

ボジョレー・ヌーヴォーのお知らせが我々の届くのは7月ごろ。
今年は円高と燃料の高騰でどんなことになるのだろうと思っておりました。
3500円くらいのものが5000円を少し切るくらいまで上がるのかしら…
と想像していたのですが、
航空便の輸入を取りやめるインポーター―さんが出てきました。
お客様にあまりにも高い価格のワインを売る事は忍びないという正しい判断なのでしょう。
とても良心的な会社だと思いました。

 

もちろん、上手に段取りして輸入され会社もありますから楽しみにしている方は
今年も楽しむことは出来ることと思います。

私は、美味しいこだわりのボジョレー・ヌーヴォー毎年販売してきました。
でも、個人的にはあまりボジョレー・ヌーヴォーは好きではありませんでした。
販売していて「うー--ん」と首を傾げたこともあります。
なぜ、30年以上販売してきたのでしょうか、
意識の持ち方を変えてくれたのは母でした。

 
ボジョレー・ヌーヴォーは11月の第三木曜日の解禁日にならないと販売できません。
(しているお店もありますがね)
法令ではないのですが、商品の価値を守るために業界の取り決めがあるようです。
(↑ おそらく、商品の付加価値を下げないためのもの)
今は商品が販売日の数日前に届きますし、
ネット販売などでは11月の第三木曜日に届くように数日前の出荷も可能です。
ですが、以前はもう販売日のギリギリに届くので大変でした。
バブルの頃には届いたワインを空港で飲むなんていうこともあり、
また、ワインが届かずに解禁日に間に合わなかったというアクシデントもありました。

 

そんなこんなでギリギリに届いたワインを
夜お店が閉まってから翌日に向け店頭で準備するわけですが、
準備は夜中までかかります。
当時は樽に詰められたボジョレーヌーヴォーの量り売りもしていました。
ある年、準備をしていた私の所に手伝いに来てくれた母が
(↑ お店の開店と同時に予約していてくれたお客様が取りにみえるので夜の準備は必須)
「今年はどんな出来なのかな?」とニコニコしながら話かけてきました。

 

その年は天候などの情報からするとそれほど期待できる年ではありませんでした。
すでに解禁日の0時を過ぎていたので、母にもう飲めるから試してみる?
と言うと、母は嬉しそうにグラスを持参してきました。

 

2人で「今年も早くに、沢山売れるといいね!」と乾杯しました。

 

やはり、少し酸味が強く当たり年といわれる水準には届いていませんでした。
しかし、母は「フレッシュで美味しいね」とニコニコ、楽しんでいました。
お客様も同じ、
フレッシュさと今年の初物という価値を楽しんでいるのだなぁ
と思い、自分の余裕の無さを反省したものです。
価格が少し高かろうが味わいが少し劣っていようが関係ないのです。
みー--んな楽しんで飲んでおられるのでありました。

都合で実店舗を閉店し、今はヌーヴォーは扱っておりません。
ところが自分で販売していないと飲みたくなってしまうのです。
好きではないと思っていましたが、欲している自分がおりました。
そこで購入して飲むのですが、今年はどうなるのでしょうか。

 

毎年、新酒はボジョレーの他に日本のものもいくつか楽しむのですが、
今年は日本の新酒のみにしようかな、なんて思っています。

海のワイン

すっかり秋めいた今日このごろ
お魚売り場で「秋刀魚」をみつけました。
美味しいお魚が食べたいなぁ~、そんな気持ちで
数日前に届いた酒類の情報誌を読んでいると
「アルバリーニョ」を35本ほどを
ブラインドテイスティング(※)した記事が出ていました。

 

「アルバリーニョ」はスペインのガリシア地方、
ポルトガルのミーニョ地方を代表する白葡萄品種です。

 

↑ 写真はイメージです。
アルバリーニョではありません、お許しを…。

 

このワイン、個人的にはとても好きなのですが、
販売するのがとても難しいワインのひとつ。
スペインやポルトガルのお料理を楽しませていただけるレストラン以外で
「アルバリーニョがよく売れるんだよね」などとは
飲食店でも小売関係者からもあまり聞いたことがありません。

 

みなさん、ラベルに「ALVARINHO=アルバリーニョ」とかかれたワインを
手に取ったことあります?

 

それでも日本のワイン産地では植樹が進んでおり
出来上がったワインの人気は高いようです。

 

興味がありましたら以前書きましたこちらも読んでみてくださいませ。
日本のアルバリーニョ

 

個人的には酸味が溌剌としていて
葡萄に由来する生き生きとした香りが印象的なワインというイメージです。

試飲コメントを読んでいると
香りの魅力的な表現に頭の中はアロマティックなワインでいっぱい。

ワインを味わったときのミネラルのニュアンスや
生き生きとした酸味、
旨味と酸味のバランスのよい味わいが想像されます。
塩味を感じることが多くミネラリーな味わいから「海のワイン」とも言われています。
飲みたくなってきました。

 

 

記事の中に、
銀座のフランス料理店「ロオジエ」のシェフソムリエ井黒氏に
フリーのワインジャーナリスト柳氏が
「アルバリーニョはレストランで扱いやすいですか?」という質問がありました。

「今、ヴィーニョ・ヴェルデを使っていますが、個性がはっきりしているので売りやすいです。香りは華やかですが、ヴィオニエやトロンテスほど強くなく、上品さを備えているので、フレッシュな白ワインのひとつとしておすすめしやすいですね。タコ、イカ、貝類など、淡泊なものとよく合います。」
以上が井黒氏の返答。

 
高級レストランでは売りやすいのでしょうか…。
35本のワインを4人のテイスターで試飲しているのですが、
せめて10人以上で評価してほしいなぁと思うのでありました。

魚介との相性抜群なのであれば「お寿司」
記事の最後に「お寿司屋さんに持っていきたくなりました」とありました。
あと何年かすると、お寿司屋さんのワインリストには
アルバリーニョのワインが選べるくらい充実しているのかも
と想像してしまいました。

 

 

ちなみにこの35本の中で評価の高かったワインが上位から

ソアリェイロ グラニト  2021
原産地 ヴィーニョ・ヴェルデ (ポルトガル)
地域 モンサォン・イ・メルガッソ
※ 一般販売は2023年1月一般販売開始予定


ソアリェイロ  2021
原産地 ヴィーニョ・ヴェルデ (ポルトガル)
地域 モンサォン・イ・メルガッソ

 
ジャスト・ビー
原産地 リアス・バイシャス(スペイン)
地域 バル・ド・サルネス

 
でした。
ちなみに、上記のヴィーニョ・ヴェルデは生産地のことで
緑のワインといわれる発泡性のワインとは一線引くスティルワインです。

 

※ブラインドテイスティング

銘柄を隠しての試飲のこと

#ポルトガル#スペイン#ワイン#アルバリーニョ#白ワイン#お寿司
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デ・ボルトリ ヤラ・ヴァレー メルバ リザーヴ バレルセレクト 1995

朝晩に気温が下がりぐっと秋めいてきましたね。
朝のBGMが蝉の声から鈴虫やコオロギの鳴き声に変わりました。
そんな中、結婚記念日の乾杯にとワインのリクエストをいただきました。

 

オストラリアに語学留学されていた時に
動ー物園で知り合われご結婚されたのだそうです。

気が付くと四半世紀を共に過ごしていたと…。
思い出の自然動物園ヒールズビル・サンクチュアリの近く
ヤラ・ヴァレーの赤ワインをご紹介させていただきました。

 

 

デ・ボルトリ ヤラ・ヴァレー
メルバ リザーヴ バレルセレクト 1995

 

オーストラリアのヴィクトリア州、ヤラ・ヴァレーの赤ワインです。
味わいの確認を兼ねて詳細にお伝えするためテイスティングしてみました。


外観ですがグラスの向こうが全く見えないほで濃く
黒っぽい赤色をしておりグラスの淵にオレンジが見えます。
粘性は高く、グラスを傾けるとはっきりとしたアシが見て取れます。

 

グラスに鼻を近づけると、
葉巻、煙草、カラメル、黒蜜、ドライイチジク、鉄の要素など
複雑で奥行きのある香りが感じられます。
丁子などの東洋系のスパイスや少しですが鉛筆の芯を思わせる香りも。

 

口に含んでみると、濃厚さと果実の柔らかい旨味を感じます。
熟した果実味、その中に溶け込んでいる酸味が印象的、
豊かでしっかりしていますが角のとれた渋みは時の流れを感じさせてくれます。
芳醇で円熟した味わいの赤ワインです。

 

味わう前はオーストラリアワインなので甘い要素があるかしらと思いましたが、
酸味がしっかりと感じられ、果実味と渋みバランスが絶妙、
全体を奇麗に高い位置でまとめあげ品を生み出しています。

 

27年の時を経ていますが、まだまだ元気、
ボルドーのグラン・ヴァンが持つ「貴族的な印象」はありませんが、
「底知れない豊かさを秘めた魅力」が存分に感じられます。

 

酸味が印象的と書きましたが、この酸味がワインの熟成にかかせません。
豊かな果実味と渋みを高貴にまとめあげる味わいとして重要になってきます。
ヤラ・ヴァレーはオーストラリアで最も冷涼な気候といわれますが、
この土地の個性がしっかりした酸味を葡萄に与えてくれたようです。

 


 
※ワインのコメントは十人十色、
 あくまでも参考程度に読んでいただければ幸いです。

 

 ご紹介しているワインの詳細は「konishi1924」まで…。
 

一度は味わってみたい…

先日いつものようにワインの情報に目を通していると
面白い記事が出ていました。

 

「150周年のドメーヌ・ポンソ、クロ・ド・ラ・ロシェの歴史的な垂直試飲」

流石にブルゴーニュワイン、垂直試飲のスパンが長いわ…。
記事を読み進めるとポンソーの歴史についても色々書かれていました。

 

個人的に印象に残ったのはクローンについてです。カリフォルニアワインの生産者情報を見ているとピノ・ノワールのクローンについてを見かけます。ディジョン・クローン113,114,777などもよく登場しますが、このディジョン・クローンを生み出したのはポンソの三代目当主ジャン・マリーさん、1950年代に、クロ・ド・ラ・ロシェの畑をマッサール・セレクションで植え替えて、挿し木から生み出したとのことです。今では、ブルゴーニュはもちろん、世界各地のピノ・ノワール生産者に使われていますね。

 

konishi1924の在庫にもポンソーがありますので垂直試飲にとても興味を覚えた次第です。ポンソのワインはとても個性的で、若いうちはとくに理解しづらい印象を受けるようです、しかし、理想に状態で熟成させてワインは驚くべき色香を放ち、その状態は20年も30年も保たれるそう…。

 

記事には、クロ・ド・ラ・ロシェはグランクリュを抱えるモレ・サン・ドニにあって、最もモレらしい野性味と重厚感あふれる歴史的なクリマ。1934年から2019年まで80年以上にわたる16ヴィンテージを振り返りながら、時空を超える旅に出た…とありました。テイスティングブルゴーニュの専門家10人が参集し、2019、2005、1999、1993、1990、1988、1985、1980、1979、1971、1961、1959、1958、1943、1934の年号が行われました。

 

気になるのは1934年。
米国に初めて輸出されたヴィンテージ。グラスを回した瞬間から、目まぐるしく発展し、ジンジャー、ミントチョコ、ローストしたタイム。デリケートで、しなやかなテクスチャー、生き生きした酸に縁取られ、心地よい緊張感がフィニッシュまで続く。95点。

 

一度でよいからテイスティングしてみたいと思いました。

 

konishi1924が在庫しているのは1996年のクロ・ド・ラ・ロシェ
ご興味がある方はこちらまでどうぞ。
垂直試飲の記事も細かく掲載しております。