アンセルムとギョームのセロス親子、お気に入りワインは?

東京の桜はそろそろ終わりでしょうか。
多摩などの山沿いはこれからなのかな。
 
今年の桜は咲き始めるのが早かったので座ってお花見、というわけにはいかないよう。
寒いのですよ。

今年のお花見、私は歩きながら楽しむものになりました。散歩がてらのお花見です。そして、川沿いにある桜と小中学校の桜の枝ぶりが見事なのに改めて気付きました。桜は散り行く様も美しくて、この辺りが他のお花と違い、艶やかなのかしらと思ったりもしています。

 

さて、いつものように情報誌やSNSなどでワインの情報を見ていると、またまた気になる記事が…。

 

「アンセルムとギョームのセロス親子、お気に入りワインは?」というもの。

 

どのような記事かは後ほど、先にシャンパーニュ「ジャック・セロス」について解説しておきますね。

 

ジャック・セロスは、1949年創業のシャンパーニュのつくりてさん。自らの畑でブドウを栽培し、シャンパーニュを造り、出荷する「レコルタン・マニピュラン」と呼ばれる小規模な生産者です。そのため、年間生産量も平均して、4000ケースと非常に希少です。シャンパン造りは非常にコストがかかるため、大手の生産者は契約農家からブドウを買い、大規模にシャンパーニュ造りを行っています。

大手のつくりてさんとジャック・セロスのシャンパーニュの違いは、自らの畑でブドウを栽培し、シャンパーニュをつくるため、個性的で複雑な味わいやスタイルに仕上がること。「良い土壌から良いシャンパーニュが造られる」という考えが根底にあるため、土づくりから始まります。「ビオディナミ」という有機農法を採用し、畑では化学肥料や殺虫剤を使わず、堆肥が使われ、畑はくわを使って耕されています。

大手のメゾンがステンレスタンクでベースワインの醸造する中、ジャック・セロスでは木樽でベースとなるワインを醸造し、オーク樽で熟成させます。これは、現当主のアンセルメ・セロス氏がブルゴーニュでワイン造りを学んだためです。オーク樽での熟成を行うと、ステンレスタンクに比べワインが空気に触れて酸化し、さらに樽由来の香りがベースのワインにつきます。

ジャック・セロスのシャンパーニュは生産量が少なく、人気が高いため手に入りにくい状況です。25年位前から仕入れるのが難しくなり、インポーターさんからは割り当てとなりました。最近は価格も上がって、庶民にはなかなか手が出しにくい状況です。

過去に何度か味わったことがあるのですが、特徴的なのは外観でいうと、少しだけにごりが見えること、味わいは複雑で旨味がしっかりと感じられました。フルート型のグラスより、ブルゴーニュワインを楽しむグラスの方が美味しさを感じやすい印象でした。

個人的にはキラキラした繊細な味わいのシャンパーニュが好きなので今の市場の様子はどこか他人事でいます、それでも記事の見出しは気になるもの、どれどれと読んでみました。

 

 

アンセルムとギョームのセロス親子のインタビューが、フランスを代表するワイン雑誌「ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス」(La Revue du vin de France)に掲載された。父子の継承をめぐる物語や好きなワインが明らかになっている。
 


記事によると、69歳のアンセルムは1954年2月、エペルネ生まれ。ボーヌで醸造栽培技術者の資格をとって、ルフレーヴやコシュ・デュリ、ラフォンなどで研修した。アヴィーズの醸造学校でバカロレアを取得し、ボルドー・リブルヌでブドウ栽培のBTS(上級技術者資格)を取得した。1974年に父ジャックから家業を引き継いだ。

ジャックは1947年にアヴィーズに移住し、当初はランソンとルイ・ロデレールにブドウを売っていたが、1964年に瓶詰を始めた。アンセルムが継承した時の栽培面積は4.5ha。生産量は年間7000本だったという。

「ワインを買うお客はほとんどいなかったが、一般的には評価されていた」と、アンセルムは記事で語っている。フランスの複数の専門家から、アンセルムの初期のシャンパーニュは現在のようなエクストラ・ブリュットではなく、一定のドザージュをほどこしたおおらかなスタイルだったと聞いた。

33歳のギョームは1989年5月、ランス生まれ。イル・ド・フランスのセーヌ・エ・マルヌ県のジュイリーの大学とメッツの大学で学んだ。卒業後はバックパッカーとなって、オーストラリアを1年間、旅した。友人のジェローム・コエッソンが栽培するヴィル・シュール・アルスの畑で造るブラン・ド・ノワール「Largillier」を生産するなど、個人プロジェクトでまず才能を示した。

彼は2018年の収穫から始めたが、既に6年半もドメーヌにいた。栽培面積は8.5haに増えていた。この年に初めて、2人で意思決定をしたが、最終判断はギョームが行った。ドメーヌの人気がピークだった時期だ。

アンセルムは息子の自主性を尊重し、ワイン造りの移譲に時間をかけた。「ギヨームは父親とは違うことをするはずだ。彼がナンバーワンになった暁には、彼のワインを皆さんに味わっていただくことができるはず」と語っている。

2人はお気に入りのワインをきかれている。アンセルムは「気分に従うのが好きで普遍的なものはない」としながらも、「今日はジェラール・ヴァレットのプイィ・フュイッセ ル・クロ・ド・ムッシュ・ノリー(Gerard Valette Pouilly-fuisse Le Clos de Monsieur Noly)」と述べた。ギョームはアルボワのステファン・ティソのル・クロ・ド・ラ・トゥール・ド・クロン(Stephane Tissot Le Clos de la Tour de Curon)を挙げた。

以上、WINE REPORTより

 

 

 

ヴァレット プイィ・フュイッセ ル・クロ・ド・ムッシュ・ノリー
ステファン・ティソ アルボワ ル・クロ・ド・ラ・トゥール・ド・クロン
どちらも日本に紹介されていますが、ヴァレットもティソも自然農法で少量生産のため、こちらも手に入りにくいようです。ティソの他のシリーズは楽しめそう、興味なある方は検索してみてくださいませ。

ギョーム・セロスはどんなシャンパーニュをつくるのかな?