世界最優秀ソムリエコンクール  2023

いつものように、ワインの情報をチェックしていると面白い記事をみつけました。

 

「優勝はラトビアのライモンズ・トムソン、日本代表の岩田渉さんは5位…世界最優秀ソムリエコンクール 」面白そう…! 私の友人の中にもソムリエの仕事をしてる人が少なくないので興味深々で読み進めましたよ。

 

世界最優秀ソムリエコンクールとは? A.S.I. (国際ソムリエ協会)が主催する、世界一のソムリエを決めるコンクールです。3年に1度開催される、まさに「ソムリエのオリンピック」と言える大会。1969年から開催されており、1995年の第8回大会では、日本代表の田崎真也氏が見事優勝しています。

 

2023年の世界最優秀ソムリエコンクールは、2月7日~12日フランス・パリで開催されました。少し前の1月22日(火)に日本代表選手選考会がホテルニューオータニ 「トゥールダルジャン」で開かれ、岩田渉(2017年 全日本最優秀ソムリエコンクール優勝者)と井黒卓(2020年 同コンクール優勝者)の2名が出場、厳正な審査の結果、日本代表選手は岩田 渉に決定されました。

 

 

 

さて、記事によると…

 

12日にパリで開かれた世界最優秀ソムリエコンクールは、ラトビアのライモンズ・トムソンが世界一のソムリエに輝いた。 日本代表の岩田渉さんは決勝進出ならなかったが5位と健闘した。 本場で行われながら、ワインの歴史が浅い国の若手選手の台頭が目立つ大会だった。

 

ラ・デファンスの会場 撮影・染谷文平


トムソンはリガを拠点とするインポーターのワイン・ディレクターで、ワイン教育プラットフォームも運営している。 「ワインの歴史がない国で育ったため心が自由。それが有利に働いた。 ラテンアメリカやスペイン、ポルトガルのような古典的な国は自国のワインに誇りを持っているので、世界のワインに心を開くことは難しい」と語った。


決勝はトムソン、デンマーク代表のニナ・ジェンセン、中国代表のReeze Choi(祭淦烽)の3人で争われた。 トムソンは2019年にベルギーで開かれた大会で3位、ジェンセンは2位に入賞し、2人とも優勝候補だった。

 

優勝のRaimonds Tomsons(中央)、2位のNina Jensen(左)、3位 Reeze Choi(右)

Photo credit @ ASI/HRVPROD

 

Reeze Choiは香港に拠点を置き、ソムリエ・コンサルタント企業で、ワインプログラムのコンサルティング、アンバサダは、優勝した岩田さんに続く2位だった。


30代半ばと若いが、中国本土の最優秀ソムリエに何度も選ばれ、ヤン・ルーMSに次ぐアジアのトップソムリエの1人。 シャトー・メルシャンや酒の取材のために来日した際に温泉旅館で一緒に飲んだが、謙虚で真面目な人柄。 巨大な市場の中国をバックに、世界のトップに躍り出た。


33歳の岩田さんは2019年のベルギー大会の11位から着実に順位を上げた。 直前に日本代表の選考会があって難しい調整を迫られたが、持ち前のタフな精神で臨んだ。 各国や地域の代表選手は着実に若返っている。 伝統国以外の国のソムリエとして将来に期待がかかる。

 

地元アンジュのマスターソムリエ、パスカリーヌ・ルペルティエ(Pascaline Lepeltier)はセミファイナルで敗退し、4位に終わった。 ルペルティエは2014年にマスター・ソムリエとなり、2018年のフランス最優秀ソムリエで、MOF(フランス国家最優秀職人章)も取得している。 「ナチュラルワインの伝道者」と呼ばれ、世界のワインシーンに影響を与えている。


「フランスでは私たちは甘やかされた子供たち。ワインを知った新しい国々は、学び、分かち合いたいという渇望を持っている。 信じられないほどの熱意を持っていて、とても速い」と準決勝の後に語った。


彼女は1989年以来、30年以上ぶりの自国開催で優勝への期待を背負っていた。 観戦していたパリのソムリエ、染谷文平さんによると、決勝に進出できなかったため、4000人の観客の空気が一気に冷めたという。

 

という内容。 「Wine Report 山本昭彦」 

 

 

 

記事の冒頭の優勝したライモンズ・トムソン氏の言葉、「ワインの歴史がない国で育ったため心が自由。それが有利に働いた。 ラテンアメリカやスペイン、ポルトガルのような古典的な国は自国のワインに誇りを持っているので、世界のワインに心を開くことは難しい」が興味深いところ。

 

先月、「チーム・ジンバブエのソムリエたち」という映画を見たおかげで「ワインの歴史がない国」という説明がするりと入ってきました。 この映画の宣伝では「ワイン版 クールランニング」とうたわれていたので少しワクワクして見にいったのですが、なかなかハードな内容のドキュメンタリー映画でした。

 

ジンバブエは、ワインの生産も消費もほとんどない国。 ロバート・ムガベの残忍な政権から逃れるまで、ワインを味わったこともなかった4人が主人公です。 前半の逆境を乗り越え、運をつかみ、ケープタウンの4大レストランのヘッドソムリエになるまでの話はかなり重く、暗い気持ちになりました。 後半、フランスで開催される世界ワインテイスティング選手権に出場する展開になりやっと楽しめました。

 

さて、「日本のソムリエさんはどの立ち位置なのかしら?」 と思いました。

 

1964年の東京オリンピックは、日本の国で一般の人がワインを飲む文化を定着させるきっかけとなった、というような話を聞いたかことがあります。さらに、田崎信也氏は「ソムリエ」という仕事、言葉を日本に広めました。 日本のワインの評価が高まったのはここ10~20年と考えると日本てワイン先進国ではないようです。

 

そう考えると「世界のワインに心を開くこと」は難しくはないはず、周りのソムリエさんたちを見てもグローバル、むしろ飲み手の方のほうが先入観が強いかも。

 

ソムリエの皆さん、頑張って下さい。

 

 

 

決勝では、テイスティング審査で2種のペトリュスが登場したとか…。

2006年と2013年です。