世界のリースリング

一昨日のこと、なかなか興味深いテーマのテイスティング会に参加してまいりました。「ワンランク上のRiesling Tasting」と題され、会場は銀座のワイン厨房たるたる、主催はWset認定 Diploma の丸尾眞氏。参加されていた方のレベルが高く、皆さま Wset Diplomaを目指されているようでした。

 

 

リースリングとは、白ワインに使われるブドウの一種です。世界中で栽培されている国際品種ですが、栽培面積の半分弱を原産国であるドイツが占めており、ラインガウ地方が原産とされています。古くから栽培されているぶどうで、ドイツ系品種の中では最も古いものの一つです。

 

リースリングからつくられるワインの味わいは、辛口から極甘口まで様々あります。共通の特徴として、鋭い酸と、透明感あふれる引き締まった果実味があげられます。特に甘口の場合は、この鋭い酸が残糖分とバランスを取って、軽やかで繊細な、他のぶどう品種にはないスタイルの甘口を生み出します。 

 

ドイツのリースリングのなかでも、繊細さと透明感の極みとも言えるモーゼルと、力強さとエレガンスを兼ね備えたラインガウが2大産地とされています。

 

近年は甘口だけでなく、辛口でも素晴らしい品質のワインが生産されています。ドイツ以外の注目すべき産地は、フランスのアルザス地方やオーストリア、北イタリアや東欧諸国、ニューワールドでは、オーストラリアのエデン・ヴァレーやクレア・ヴァレーなど。さらに、アメリカのワシントン州ニューヨーク州ニュージーランドの透明感あふれるスタイルも人気となっているようです。これらの産地では少しずつ異なる顔を見せてくれます。このことは、リースリングのワイン用ぶどうとしてのポテンシャルの高さをあらわしているのです。

 

全てブラインド、ラベルを見ない目隠しの方法でワインが提供されました。テイスターはグラスに入れられたそれぞれのワインの色、香り、味わい、余韻の長さなどを見ていきます。

 

今回はリースリング種のみ10種類をテイスティングしてきましたが、緊張感のあり真剣で、充実した内容、満足度の高いもので、上記に挙げたような、世界の様々なリースリングテイスティング出来、スタイルが確認できました。

 

 

テイスティングの目的は人により様々です、多くの参加者と私の目的は少し異なりました。参加していた多くの方々はWsetのDiploma認定試験での正解率を上げることが視野にあり、葡萄品種を当てることが目的のようでした。

 

私の目的は辛口スタイルのリースリングの多様性、特徴を把握し、確認すること、コメントの書き方やコメントの量と質も変わってきます。目的が異なるとコメントも変わってくるので、恐らく私のコメントは他者の方と大きく違っていたと思います。私のコメントは人にワインの味わいを伝える要素が強いので今回の参加者と形態が大きく違うのです。左に座っていた方は葡萄品種を当てることに重きを置いていたのでコメントを書いていませんでした。ワインについてのディスカッションはありましたが、コメントを発する必要がなかったので助かりました。

 

ワインについてのディスカッションはとても興味深いものでした。これを機に試験ではなく、市場や飲み手を視野に入れたワインのテイスティング会があればいいなぁ、なんて思ったのでありました。様々な生産地の高品質なリースリングテイスティングが出来たことは本当に貴重な機会となりました。今後も精進したいと思います、ご機会をありがとうございました。