クリスチャン・ビネール カッツ・アン・ブル リースリング 2019

気持ちのよい青空、きりりと冷たい空気、気持ちのよい朝を迎えました。

少し前に届いたワインがありましてね、フランス・アルザス地方の白ワインです。インポーターさんから新着のお知らせが届いて、これはなんとも美味しそうなワインだと直感しました。お知らせには試飲会でもテイスティング出来るとあったのですが行けず、終わってしまうと争奪戦になり、売切れてしまうかと注文しておいたワインです。しばらく休ませてあげて落ち着いた頃であろうと昨晩テイスティングしてみました。

 
クリスチャン・ビネール 
カッツ・アン・ブル  ペットナット
リースリング 2019

 
ペットナットは微発砲のワインのことです。グラスに注ぐとシュワっと泡立ちますがすぐに泡立ちが消えてしまします。これがスパークリングワインと大きく異なります。グラスを傾けてみると泡立ちは少し残っていますが、わずかです。少し濁りのある黄金色、少しオレンジも見えます。

 

 

クリスチャン・ビネールは葡萄の栽培、醸造に関して農業本来の姿をモットーとしています。無農薬を徹底し、SO2もほとんど使用しておりません。カッツ・アン・ブルはアルザス地方のカッツェンタール(畑の名前)の花崗岩で育つリースリングで造ったペットナットです。貴腐ブドウを含むリースリングを11 ヶ月間発酵・熟成、糖がわずかに残った状態で瓶詰めし、ノンデコルジュマン(澱引きをしない)仕上げです。それゆえ、ワインには濁りがあるというわけです。

グラスに注ぐと同時に酵母、トーストなどの香りが。続いて熟した黄桃や杏、金木犀、その他の黄色い花を思わせる、甘酸っぱく華やかなよい香りが楽しめます。とても満足度の高いワクワクする香りです。

口に含むと舌先にガスを感じ、微発砲であることを認識します。
味わってみると辛口のスタイルですが甘さを感じます。収穫時の葡萄の糖度はかなり高かったのでしょう、貴腐葡萄も含まれているといいますからそのあたりの甘さもあるのかもと想像出来ます。マンダリンオレンジをギュッと絞ったような風味、少し苦みも感じますが心地のよいもので、かりんなどの黄色い皮の果実の要素をいくつか感じます、複雑で濃縮された味わいです。旨味がたっぷりとあり、それはリースリングのしっかりとした酸味を上回るほどのもの、ミネラルの豊さも感じます。飲み込んだ後、喉から鼻先に香りにあった杏や金木犀の甘酸っぱい風味が抜けていきます。余韻はとても長く素晴らしいものです。

貴腐葡萄が含まれるとこんなにも複雑で深みのある味わいになるのかとしみじみグラスを眺めてしまいました。今飲んでも素晴らしく美味しいのですが、あと5~7年寝かせたら大化けする、あなたは怪物???  と…ボトルに向かって話しかけていました。。スケールが大きくパワーあふれるワインです。あまりの美味しさにもっと仕入れたいと思いましたが、すでにインポーターさんでは完売しております。寝かせたて置くべきが、欲張らず販売するべきか迷うなぁ。

 

さて、テイスティングした後はお楽しみの時間、買っておいたアルザス地方のチーズ「マンステール」と合わせてみました。チーズは買ってきたばかりまだ熟成しておらず、ワインに負けました。

 

もう一点、スイスのハードタイプのものも購入していたのでこちらも合わせてみることに…。お店の人に勧めて貰った際、「どんなワインが合いますか?」と尋ねたところ「私はこのチーズは切り方でワインに近づけます」とのお返事をいただきました。薄く切ってフルーティーな白ワインと、厚めに切るとピノ・ノワールのような赤ワインともよく合うのだそうです、なるほど!

 

さて、このワインを薄く切って合わせてみると、ワインの杏や金木犀の風味が際立ち、厚く切ってワインを飲むと、旨味の要素がぐっと立ち上がってくるのでありました。
ワインはやっぱり楽しいわ!

 

 

 

※ワインのコメントは十人十色、あくまでも参考程度に読んでいただければ幸いです。

テイスティングしたワインの詳細はホームページ「konishi1924」をご覧くださいませ、購入もできますよ。
クリスチャン・ビネール カッツ・アン・ブル リースリング 2019